
こんにちは。東京祝花の小池です。
今回から「東京祝花の花図鑑」と題し、いつもスタンド花や祝花に使われている花材をご紹介していきます。
お祝いの主役『バラ』
第一回を飾る今回の花は「バラ」。花と言えばバラを連想する人も多い、まさに花の代表格です。
スタンド花、アレンジメント花、花束をはじめ、ほとんどの祝花に用いられているといっても過言ではなく、季節問わず通年楽しむことができます。
バラは姿や色をはじめとした品種改良・多様化がかなり進んでおり、もともとの原種は8種類といわれていた数が、民間育種家などを数えなくとも3万種以上を超えているのです。
今回はその中から、コンサートや開店祝いをはじめとしたお祝い事へ贈られるスタンド花・アレンジメント花などを見た時に、良く意識する「花言葉」「花の本数」「おすすめのオーダー」についてご紹介いたします。
バラの本数の意味

本数で変わるメッセージ
バラの花はとても特別なお花で、西洋では「本数でメッセージを伝える」文化もあります。例として、ポピュラーなものをご紹介いたします。
1本のバラ「あなただけです」「一目惚れ」
2本のバラ「世界にはあなたと私だけ」
3本のバラ「あなたを愛しています」
4本のバラ「死ぬまで気持ちは変わりません」
5本のバラ「あなたに出会えて心から嬉しいのです」
10本のバラ「あなたのすべてが完璧です」
11本のバラ「最愛の人へ感謝を込めて」
12本のバラ(ダズンローズ)「私と付き合ってください」
15本のバラ「ごめんなさい」
20本のバラ「わたしのひとひらの愛」
25本のバラ「あなたの幸せを祈っています」
30本のバラ「ご縁があると信じております」
40本のバラ「真実の愛」
50本のバラ「恒久」「永遠」
99本のバラ「永遠の愛、ずっと好きでした」
100本のバラ「100%の愛」
101本のバラ「この上ないほど愛しています」
108本のバラ「私と結婚してください」
365本のバラ「あなたが毎日恋しいのです」
999本のバラ「何度生まれ変わってもあなたを愛します」
1000本のバラ「1万年の愛を誓います」
シーン別のおすすめ本数
プロポーズ:108本

プロポーズは有名な『108本』がおすすめです。本数の言葉の通り、「私と結婚してください」。
両親へ:11本

ご両親へバラを贈る時には、『11本』「最愛の人へ感謝を込めて」がおすすめです。身近な人への感謝のギフトとして親しまれています。
最愛の人へ:12本

12本のバラは海外では「ダズンローズ」と呼ばれ、最愛の人へ愛を誓う際に贈られる本数です。
12本はボリュームとしては小さいので、プロポーズには108本を贈られる方が多いのですが、結婚式内の演出などで用いられることも。
推しアイドル・大切な芸能人へ:5本・25本・100本

握手会やコンサート祝花を贈る方の中で、バラの花束やバラ入りのアレンジメントをご希望される方も増えています。
自分の気持ちに合った本数を指定して、花屋に注文することも良いでしょう。
おすすめは『5本』「あなたに出会えて心から嬉しいのです」
『25本』「あなたの幸せを祈っています」
『100本』「100%の愛」(これはかなり本気度が高い方向けですね)
そんなに皆本数意識しているの?

実際のところ、花屋がバラを使用する際、本数こそ数えますが本数に意味を込めて作るデザイナーはごく少数派です。
スタンド花やアレンジメント花は、お客様にご希望いただいた価格・色味に合わせて葉物や花を組み合わせていきます。
そのため、バラの本数以上に全体の調和に意識を向けているのです。
もしバラの本数に気持ちを込めたい、という思いがあれば、お任せで注文する前に
「バラの花を〇輪だけ入れてください」とオーダーされると良いでしょう。
色別 バラの花言葉

本数以上に人気が高いのは「花言葉」ですね。
バラの花色はとても多彩であることから、それぞれの色別に花言葉が分かれて認識されています。
今回はその一部を取り上げます。
色別 バラの花言葉一覧
赤いバラ「情熱」「美貌」「あなたを愛する」
黄色いバラ「平和」「愛の告白」「友情」「不貞」「嫉妬」
小輪の黄色バラ「笑って別れましょう」
ピンクのバラ「温かい心」「恋の誓い」「かわいい人」「美しい少女」
白いバラ「尊敬」「純潔」「清純」
オレンジのバラ「無邪気」「魅惑」「絆」「信頼」
グリーン「穏やか」「希望を持ちえる」
紫のバラ「誇り」「気品」「尊敬」
黒赤色のバラ「憎悪」「恨み」
青バラ(ブルーローズ)「神の祝福」「喝采」「奇跡」
虹バラ(レインボーローズ)「無限の可能性」
黄色や黒のバラは使ってはいけない?

肯定的な意味の多い花言葉ですが、中には不穏なものがありますよね。
黄色の小さなバラや、黒赤色のバラは、あまりいい意味ではないでしょう。しかし、本数と同様意味にだけ左右されるべきではありません。
花言葉は誰かが付けたものであって、必ずそうなるというジンクスではありませんし、私は「伝えたいものがある時だけ意識をすればいい」と思っています。
黒赤色のバラは、ビジュアル系コンサートのスタンド花や、ダークなイメージのアニメイベントへ贈るギフトへぴったりです。
黄色のスプレーバラの使いやすさは、多くのアレンジメントを見れば一目瞭然。とてもボリューム良く見え、アレンジが華やぎます。
本数も花言葉も「好きなものだけ」選ぼう
花を贈る時に最も大切なことは「気持ち」です。
気持ちを伝えるときには、良いものだけ選び取ることが必要です。
もしお花を頂いた時も「〇色バラのアレンジメントをもらったから、こう思われているんだ…」と決めつけるのではなく、
「バラとカーネーションのバランスがきれいだな」
「色味が私のお店のテーマカラーだ」
こういう風に、視点はたくさん持てると思います。
花を贈る人も、受け取る人も、心からフラワーギフトを楽しめますように。